失業保険はいくらもらえる?受給額と受給期間について
会社を辞めた後、気になるのが「失業中のお金」。
そんなときに役立つのが「失業保険(雇用保険の基本手当)」です。
この記事では、いくらもらえるか・いつまでもらえるかについて、ポイントを絞って解説します。
失業保険は1日当たりの受給額「基本手当日額」はいくら?
〇失業保険の金額は、以下の式で計算されます
基本手当日額=賃金日額×給付率(0.5~0.8)
*60歳以上65歳未満の方の給付率は0.45~0.8
・賃金日額=退職前6か月の給与総額÷180日
(通勤手当・残業代などを含むがボーナスは含めない)
例:月給30万円の人の場合
30万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 賃金日額:10,000円
→ 給付率により 基本手当日額:約5,954円
基本手当日額=賃金日額×給付率
*年齢ごとに上限あり
(例:賃金日額 30歳〜45歳は上限15,140円
基本手当日額 30歳~45歳は上限7,570円)
→令和元年8月1日からの上限(毎年更新)
失業保険の総額はいくら?失業保険の受給期間と受給額の総額
計算式
失業保険の総額=基本手当日額×所定給付日数
・所定給付日数の決まり方給付日数は以下の4つの要素で決まる
- 雇用保険の加入期間
- 離職時の年齢
- 退職理由(自己都合 or 会社都合)
- 就職困難者かどうか
自己都合退職(年齢関係なし)
- 加入期間
- 給付日数
- 10年未満
- 90日
- 10年以上20年未満
- 120日
- 20年
- 150日
会社都合退職(年齢と加入年数で細分化)
雇用保険加入機関と離職時の年齢によって細かく決められている
最大で330日の給付あり
例:45歳以上60歳未満+加入20年以上
→330日
就職困難者(障害を持ってる方に加え、社会的事情により、就職が困難とされている人)
- 年齢
- 加入期間1年以上の給付日数
- 45歳未満
- 90日
- 45歳~65年未満
- 360日
支給総額の例
年齢や勤続年数、退職理由によって、もらえる金額や給付期間は大きく異なります。■ ケース1:25歳/月収19万円/勤続2年/自己都合退職
〇基本手当日額:4,723円
〇給付日数:90日
〇支給総額:約42.5万円
■ ケース2:30歳/月収32万円/勤続5年/自己都合退職
基本手当日額:6,060円
給付日数:90日
支給総額:約54.5万円
■ ケース3:45歳/月収40万円/勤続20年/会社都合退職
基本手当日額:6,666円
給付日数:330日
支給総額:約220万円
- 総額は「日額×給付日数】で決まる
- 会社都合や障碍者等は給付日数が長くなる
- 自己都合だと最大150日
失業保険はいつからもらえるの?失業保険の受給期間
・自己都合退社:7日間の待機+3か月の給付制限
→4か月程度
・会社都合退社:7日間の待機後、すぐに給付開始
→早い人で約1か月
*失業保険は「離職の翌日から1年間」までが支給対象期間
(所定給付日数を満たす前に1年が過ぎてしまった場合、満額の受給ができないこともある)
失業保険がもらえる人ともらえない人の違い
受給できるケース
- 雇用保険の被保険者で離職した人
- 雇用保険の加入期間が通算1年以上の人
(やむを得ず退職した場合や就職困難者を除く) - 就職する意図があり、実際に就活活動をしていること
雇用保険に加入していればアルバイト・パートも対象
〇条件:
・週20時間以上勤務
・31日以上の雇用見込み
*加入手続きは事業主が行います。不明な場合は勤務先に確認をしましょう。
受給できないケース
- 加入期間が足りない (原則離職前の2年前に被保険者期間が12か月以上)
- 働く意思がない/就職活動をしていない
- 病気・妊娠・育児などですぐに働けない状態
*出産・けがなどで働けない場合は、受給期間の延長申請が可能
【まとめ】失業保険がいくらもらえるかで再就職の時期を決めるのも良いでしょう
〇基本手当日額は給料の5~8割が目安
〇受給期間は退職理由と勤続年数で決定
〇支給開始は最短1ヶ月後、自己都合は4ヶ月かかる
〇早期再就職でボーナス的に「再就職手当」あり
失業中の生活を少しでも安定させるために、自分の条件で事前にシミュレーションしておくのが大切です。